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「ふむ、美しいヒターラだな。どこで手に入れた?」
「これは、ある旅の方からお借りした物です。実は僕のヒターラは壊れてしまったのです…」
「あの馴染みのヒターラが壊れてしまったとは残念だな。しかし、このヒターラは…」
公爵も、ヒターラに刻まれた名とスザール王家の紋章に気が付いた。
「ティコリ・スマ…。道理で音が良い訳だ。諸国に名の轟くスザールの名工だ。なかなか手に入る物ではない。こんなレア物を持っているとは…どんな人物だ?」
「実は僕も直接会ってはいないのです。友人が借りて来てくれたので…。明日、お返しに行く事になっています。」
公爵はこの超レアなヒターラの持ち主に興味を持った。
「私も御一緒しても良いかな?」
「公爵様が?! 」
「こんなに貴重なヒターラを、まったく面識のない君に快く貸してくれるとは、どんな人物なのか会ってみたい。」
「…はい…」
公爵の申し出をホロンが断れるはずもない。
あくる日、公爵とホロン、シルクルは連れ立ってセレの居る宿に向かった。
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