第4章 品定め

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宿では、セレがまたまた温泉に入っていた。 「セレ様、いい加減にしないとふやけますよ。」 今日の監視はナーガだ。 「あの子狐のおかげで滞在が1日伸びたんだ。ふやけたって、元に戻るだけの時間はあるだろ。」 「…そういう問題ではありません。温まり過ぎると身体に…ん?セレ様?」 セレの身体が右に傾き、そのまま湯の中に沈んでしまった。 「わぁっ!言わんこっちゃない!」 ナーガは慌ててセレを湯から引き上げ、上着を掛けた。 「ルルグ!手伝ってくれ!」 ルルグを呼んで、2人でセレをズルズルと引きずって廊下を歩いた。 そこに、ホロンとシルクル、そして立派な身なりの紳士が来た。最悪のタイミングだ。 「あれ? セレだよね?」 シルクルが気付いた。 「セレって…もしかして…?」 ホロンが言った。 「うん。このヒターラの持ち主。」 シルクルが答えた。 紳士、つまり公爵は呆れ顔になった。 …芸術性のカケラも無いじゃないか…こんな奴がティコリ・スマのヒターラの持ち主とは… 公爵のそんな思考を感じ取り、ナーガは無愛想に言った。 「主人は湯あたりしただけです。直ぐに元に戻ります。」
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