第4章 品定め

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セレは部屋のベッドに寝かされた。 ナーガに魔法で涼しい風を送ってもらい、数分後に心地よく目覚めた。 「お目覚めですね、セレ様。 来客です。今、ピアリの部屋で待っていただいてます。身支度を整えてシャキッとしてください。」 「シルクルと彼の友達だろ。ヒターラを返しに来てくれたんだな?」 「ええ。でも、もう1人います。あのヒターラの価値に気付いて、持ち主であるセレ様を見に来たのです。」 「俺を見てどうしようと言うんだ?」 「身の程知らずがセレ様を『品定め』に来たんですよ。 セレ様の真の値打ちなど、あんな奴に分かってたまるか! 『芸術性のカケラも無い』と見下した事を後悔させてやる!」 ナーガは憤っていた。 「…芸術性のカケラも無い?」 珍しくセレは気にした。 「セレ様、あんなエセ芸術家の公爵の言う事など気にする必要はありません!」 「公爵なのか、その者は。」 「ええ、でも公爵の位に相応(ふさわ)しいとは思えませんね。…セレ様、これを着てください。」 ナーガは服を差し出した。 「…ほとんど正装じゃないか。なんでこんな服を持っている?」 「もしもの時の為に、とタリヤ様から預かったのです。」
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