第4章 品定め

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タリヤというのは、セレの弟であるロストークの現国王ヤールの側近だ。 「もしもの時ってどんな時だ? 少なくとも今じゃないだろう。」 「いいえ! いくら湯にのぼせていたとはいえ、セレ様があの公爵に軽賤(きょうせん)されるのが許せないのです。 いいですか、セレ様、彼の前ではランディール家の人間として振る舞って下さいね。 もちろん正体を明かす必要はありませんけれども。 御自分の事も『俺』ではなく『私』ですよ! 」 「う、うん。」 いつに無いナーガの気迫に気圧(けお)されてセレは従う事にした。
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