第1章 泥棒狐

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しかし、既に「死者」とされているのだし、そんな状態では国に留まる事はできない。 当ての無い旅に出ようと決めた。 ところが、何故かピアリという少女の母親を探す旅に付き合う事になってしまった。 ピアリは16才。 長く真っ直ぐな黒髪に、黒い大きな瞳が愛らしい。水の精ウンディーネの母親に会うため旅に出た。 その他にもルルグという少年と、ナーガという翼竜の子孫が旅の仲間に加わっていた。 ルルグは11才になったばかりだ。 レダリアという大国の出身で、すぐれた頭脳の持ち主だ。獣人の血を引いているが、今のところ変身はしない。 悪質な情報屋に(とら)われていたところをセレに助け出されて、一緒に旅をする事になった。 ナーガは、見た目は17から18才位だが翼竜の子孫で実際の年齢は不詳だ。 翼竜は昔からランディールとの繋がりがあり、他人の表層思考を読み取る力がある。 微かな予知能力も持ち合わせており、セレが誕生した時、彼の特殊な魔法の力と未来に果たすべき使命を感じ、自分から願い出て従者になった。 以上の4人で、ピアリの母親がいるであろうイズムルトという国を目指して歩いていた。
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