第4章 品定め

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「本来は圧着したまま固定して2,3日置いておくんだが…」 セレには魔法というものがある。 大地の魔法で圧力を掛け、風の魔法で乾燥を早めた。 「もう大丈夫だろう。弾いてごらん。」 と、数分でホロンにヒターラを戻した。 ホロンは弦を弾いてみた。 最初はそおっと…そして段々強く… 「ビクともしません!音も元通りです! 良かった…。ありがとうございます!」 「うん、喜んでもらえれば私も嬉しい。では君のパートをやってみよう。」 まず、セレが楽譜通りに弾いてホロンに聴かせた。 すると 「分かりました。弾いてみます!」 すぐにリピートした。完璧だった。 ホロンは一度曲を聴いただけで覚えてしまうらしい。 ぎこちない所を何度か練習して 「さあ、合わせるよ。」 「はい!」 連弾が始まった。 セレとホロンのヒターラに、ピアリの鼻歌が混じり、公爵が手拍子を入れる。 窓から漏れる華やかな曲に、道行く人々は足を止めて聞き入った。 セレ達が演奏に夢中になっているうちに、小さな宿の前には人だかりができていた。 誰からともなく手拍子、掛け声がわき起こっていた。
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