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ラウル公爵が、ふと窓の外に目をやると大勢の人々が身体でリズムを取り、曲を楽しんでいるのが見えた。
「!」
公爵は驚いた。
セレとホロンが、シャラン、という感じの最後の音を響かせ、曲が終わった。
窓の外に集まった人々から歓声が上がった。
「いいぞー!」
「最高だー!」
セレとホロンは呆気に取られた。
「いつの間に…」
公爵は笑顔で大衆に話しかけた。
「音楽は好きかね?」
興奮した声で答えがいくつも返って来た。
「こういう曲だったら、いつでも聞きたいよ。」
「楽しいね!身も心も軽くなる。」
みんなで同時に喋るので聞き取りにくかったが、歓喜、熱、生命力が溢れているのは、はっきりと感じられた。
…音楽と人々の心がリンクして生み出される躍動感…
…これだ…私が求めている芸術は…
ラウル公爵の胸に新鮮な風が吹いた。
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