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「これは先祖の記憶ですが…」
眉をひそめ、ナーガは言った。
「ランディールの方はいったん感情を爆発させると誰にも止められません。
この世のものとは思えない鬼気と迫力で…その恐ろしさと言ったら…見ただけでも精神崩壊しますよ。」
「人を化け物みたいに言うな。」
セレの口調が少しだけ強くなった。
「化け物とは言いませんが、人智を超越した天空の竜の力を内に秘めているのです。脅威的な存在なのは確かです。
ピアリもルルグもあまりセレ様を軽く見ていると、とんでもない事になりますよ。」
「セレが…?」
ピアリとルルグは少し驚いた様にセレを見た。
「今のは先祖の話しだろう。俺は絶対にそんな事はしない。…だから…ピアリもルルグも今まで通りでいてくれ。お願いだ。」
口調はいつも通りに戻っていたが、眼差しは真剣だった。
「うん。だって、変えられないわ。」
「急にそんな事言われたって、ねぇ。」
2人はごく当たり前の様に答えてくれた。
「ありがとう…」
安堵の色を見せるセレに
「セレ様。感情の爆発というのは怒りの事だけではありませんよ。」
ナーガはたしなめる様に言った。
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