第一章 彼方の国

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「よろしい。タク・トミノ准尉は以後我が軍特殊部隊GW所属突騎兵として任官だ。突騎兵隊は精鋭ぞろいだ、訓練に励め。以上だ」 拓が提出した志願書に目を通すとロック大佐は言い放った。 「……これで軍人か。ついこの間までレーサーだったのにな」 基地指令の執務室を退出した拓は思わずつぶやいた。 「ねえタク、簡単だったでしょ。RBに乗れるんだから認められて当然なんだよ。これでアタシたちの正式な仲間だね。一緒にがんばろ」 退出する拓を待ち構えていたキョウコが駆け寄った。 「まだぴんと来ないな。俺が軍人になって准尉とか」 腕にしがみついてはしゃぐキョウコを放置して拓はつぶやいた。 「准尉かあ。いきなり少尉でもいいくらいだけどね。でも士官候補生ってとこでいいんじゃない。タクなら戦果をあげてどんどん昇進できるよ。アタシが保証する。元気だしなよ准尉どの。戦いはこれからであります」 キョウコは満面の笑みで敬礼した。 「……はい。了解です軍曹どの。では部屋に戻るであります」 「やめてよねそういうの。アタシとタクの仲じゃない。今までどおり仲良くやろうよ。ね?」 半ば引っ張られるように拓はキョウコの部屋に戻った。
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