第一章 彼方の国

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「これが復活したタクの愛車だよ。ピンクはやめて青にした。草原に対して保護色にもなるしね。ロスマンズとかは無理だったけど、これでいいよね。足回りとかはテスト走行してからね」 整備工場に案内された拓は修理が完了した愛車NS7を見て思わず涙をこぼした。 「やあねタクったら。こんなことで泣かないで。男の子でしょ」 キョウコは言いながら自分も涙をこぼしていた。 「とりあえず燃料は入ってるから、ひとっ走りする?」 キョウコの提案も聞こえないほど拓は愛車の姿に夢中だった。 「ほう。これが准尉専用RBの姿かね。立派なものだ」 近くにいたロック大佐が感嘆の声を漏らした。 「……はい。可変機能の調整はまだですけど走行は可能です」 ロックに対してキョウコが告げた。 「ごくろうミソラ軍曹。一刻も早くこのRBが戦場を駆け抜ける姿を見たいものだ。最近になってまたノウス前線部隊がちょっとうるさいのでな」 きびすを返して去っていくロックの背中を二人は見送った。 「へえ。これがタク准尉のマシンかい。格好だけはイカスね。実戦ではどうかな。見掛け倒しじゃなきゃいいけどね」 工場に来たレーズは皮肉をこめるように言った。
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