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「これが復活したタクの愛車だよ。ピンクはやめて青にした。草原に対して保護色にもなるしね。ロスマンズとかは無理だったけど、これでいいよね。足回りとかはテスト走行してからね」
整備工場に案内された拓は修理が完了した愛車NS7を見て思わず涙をこぼした。
「やあねタクったら。こんなことで泣かないで。男の子でしょ」
キョウコは言いながら自分も涙をこぼしていた。
「とりあえず燃料は入ってるから、ひとっ走りする?」
キョウコの提案も聞こえないほど拓は愛車の姿に夢中だった。
「ほう。これが准尉専用RBの姿かね。立派なものだ」
近くにいたロック大佐が感嘆の声を漏らした。
「……はい。可変機能の調整はまだですけど走行は可能です」
ロックに対してキョウコが告げた。
「ごくろうミソラ軍曹。一刻も早くこのRBが戦場を駆け抜ける姿を見たいものだ。最近になってまたノウス前線部隊がちょっとうるさいのでな」
きびすを返して去っていくロックの背中を二人は見送った。
「へえ。これがタク准尉のマシンかい。格好だけはイカスね。実戦ではどうかな。見掛け倒しじゃなきゃいいけどね」
工場に来たレーズは皮肉をこめるように言った。
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