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おかえしの呪い
霊が見える私はある日死神を見た。
その死神は黒いマントを被り、白い水晶がついた首飾りをしていた。
その姿はとても綺麗で見かけた日から突然目につくようになった。普段なら気づくこともないのに。
暫くして死神が困っているところを見かけた。助けるか迷ったが死神の仕事は魂を回収すること。
その仕事をしてくれるおかげで私も変なことに巻き込まれることは殆どない。
だから少しでも頑張ってほしかった。
それがあんなことになるなんて私は知らなかった。
「あの何か手伝えることは?」
「あぁこんにちは、君は見える人なんだね。んー手話できるかな?耳が聞こえない人でね。筆談すれば問題ないけど、死神界と人間界って文字が違うからわからないんだ。」
私のお母さんは聾学校で教師をしていたから、簡単なことなら知っている。
それに私なら筆談だってできるだろう。
「簡単なことならできますよ」
「そっか。じゃあこの世界に未練がないか聞いてくれる?」
「・・・ないって言ってます」
「うーん、それじゃ向こうの世界に送っちゃうけどいいかって」
この世界にいる理由もないから、って言ってるみたい。
死神の仕事はこんな風にするんだと初めて知った。
「大丈夫みたいです」
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