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仰向けに倒れた状態で首だけ起こすと、そこには白い衣装を着た髪の長い若い女がしゃがんでいました。 「気がつきましたか。もう大丈夫ですよ」 美しいその女は、包み込むような優しい笑顔で言いました。 ヴィヨセラスは、自分は生きているのだろうか、それとも死んでいるのだろうかと思いながら半身を起こし、自分の体を見ました。 すると不思議なことに、あんなにたくさんの剣を突き刺されたのに傷は一つもありません。 ヴィヨセラスは混乱した目で、その若い女を見ました。 「大丈夫、あなたは生きています。野蛮な連中はもう立ち去りました。心配いりません」 ヴィヨセラスがほっと溜息をつくと、女は相変わらず美しい笑顔を作って言いました。 「私はあなたを助けに来たのです。さあ、一緒に山を下りましょう」
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