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空を飛べば、タトラから百キロ以上も離れたクラクフまでも、ひとっ飛びです。ヴィヨセラスは毎日のようにクラクフやワルシャワや、さらにはプラハまで飛んで行きました。 その途中で、ヴィスワ川でおぼれかけている仔猫を助けたり、路地裏で行き倒れている人を教会に運んだり、寒さに震えるみなし児に古着を探してあげたりしました。 小さいことでしたが、誰かを助けることはヴィヨセラスにそれまで味わったことのない感情を与えてくれました。 でも、ヴィヨセラスが毎日のように東に西に飛び回る本当の理由は、ヤヌシュを探すことでした。 五年前に見たあれは本当なのか、もし本当ならヤヌシュはまだ生きているのか、それともあの時殺されたのか、ヴィヨセラスにはそれを知る術(すべ)がなかったからです。 しかし、どんなに飛び回ってもヤヌシュの消息をつかむことはできませんでした。
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