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「お前、夏休み暇?」
「赤点の補しゅ、…暇ですけど!」
「……そうだと思った」
あああ不意をついて話かけられたからつい本当の事言っちゃった…!
夏休み暇?って…。
あ、遊びのお誘いだよね?
確かに赤点の補習はあるけど暇はいくらでもあるのに!
だから……!!
……なんて、がっついた事言ったら私が阿部君の事好きってバレちゃうから言えない。
あれ?ちょっと待て。
“そうだと思った”って酷くないかこのたれ目。
「明日の10時、図書室集合な」
「……はい?」
「部活始まる前に勉強教えてやるから」
教科書とノートを鞄に詰め込みながら阿部君はさらりと言う。
私が何も答えないでいると、
まさか俺の誘いを断るなんてことないよな?
なんて睨みをきかせて言ってきた。
阿部君目怖ッ!
「う、…ありがとう」
真っ赤になった私はそれしか言えなかった。
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