2.術の訓練と植物?採取

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  「…………ツカサくーん……やっぱ好きだぁ……」 「なんだかよく解らんけど抱き着くのやめて」  このオッサンの泣きどころが未だによくわからん。  俺の立派な思考に感動したって事なんだろうか。そういう事にしとこう。 「よし、ツカサ君にこれだけ期待して貰ってるんだから、僕もバンバン教えちゃうよ! じゃあ早速木の曜術の初級から始めようか!」  なんだこいつ、いきなり元気になりやがって。  訳が分からなくてイラッとしたけど、コーチしてくれるのはありがたいのだ。我慢して説明を拝聴しよう。俺はこれから忍耐も学ぼう。 「で、まずは何をすればいいんだ?」 「そうだね……超初歩であるグロウはもう使えるんだから、今度は攻撃系を覚えてみようか」  そう言ってブラックが説明してくれた術は、木の曜術の中でも実践に使えると言う【メッサー・ブラット】と言うもの。一言で説明するなら葉っぱカッターだ。  初級術【グロウ】で手の中の植物を硬化させ尖鋭にし、風の術で対象に突き刺してダメージを与える術で、使いこなせばミニ台風巻き起こしながら無数の葉っぱカッターを出す事が出来る。忍術か。忍術なのか。  木の曜術師は基本的に直接攻撃する術が少ない、言ってみれば後衛型の術師なので、このメッサー・ブラットも初級術とは言え中級に届く程度の難しさだ。んなもんを俺にいきなりやれっていうんだから、ブラックもわりとスパルタだよな。  でもやらないとしゃーない。文句を言う前に実践だ。  とりあえず、やった事のなかった風の術から練習してみる事にした。  ……何気に【気】を使った術って初めてだな。 「それじゃ、まずは【フロート】……物体を浮かせてみようか。この小石を立った自分の目線まで引き上げる練習だ。操力と集中力を途切れさせずに、気で小石を持ち上げるのを想像して」 「わ、わかった」  目の大きな石の上に置かれた小石をじっとみて、指をさす。  【気】で小石を持ち上げるってことは、やっぱり一旦【気】を取り込んで指から流すイメージなのかな。指からビームが出てる感じで行くか。  あの光の粒が指先に集まるのを想像しつつ、俺は目の前の小石をじっと見つめる。そして、集まった気を小石の下に滑らせて、ゆっくりと持ち上げ……。  
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