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「葉っぱの刃…………風を巻き起こして……圧縮した風で……突き刺す」
一つ一つ間違わないように、言葉でイメージを固める。
すると先程よりスムーズに行って、俺の手の中には数枚の葉っぱの刃が出来上がった。それをゆっくりと浮かび上がらせて、視界で標的を絞る。
そうして、勢いをつけて……。
「行けっ、メッサー・ブラット!」
発破をかけるように、指さした場所に一直線に刃が飛ばされるように――
風で押し出す!
「おおっ」
ブラックの感心したような言葉が隣で聞こえたと同時、勢いよく飛び出した葉の刃がハニーターネペントの下部に突き刺さった。
よっし狙いはばっちり!
壺の部分を傷つけたら蜂蜜がこぼれちゃうからな。
だけどまだまだ丈夫な相手は、少し小さな傷を付けられただけでは倒れない。
ぼいんぼいんと跳ねながらも体勢を戻す。俺はその辺の草をむしって、第二弾を用意した。取り込んだ曜気を掌全体に溜めてから、草を握って素早く刃を作る……なんとなく解って来たぞ。
曜気を凝縮して、言葉でイメージを固定。そして術名で発射。
詠唱とかってただの中二病かと思ってたけど、あれはイメージをちゃんと脳内で作る為でもあったんだろうな。今なら解るぞ。呪文を使うのはちょっと恥ずかしいけど、まあここはファンタジー世界だから許されるだろう!
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