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五度目のメッサー・ブラットで、ついにハニーターネペントが倒れる。
集中的に根っこに近い部分を攻撃していたので、壺は無事だ。この世界にレベルの概念はないけど、俺ってばこれで絶対レベル上がってるだろ。ふふん。
周囲にモンスターがいない事を確認し、俺達はハニーターネペントに近付いた。黄色いネペントは、森に居た奴と比べると小ぶりだ。
大きさ的には、俺の背丈とあまり変わらない。
でも、倒れた壺の部分を起こしてみるとだいぶん重くてかなりの重量だった。
本当ならこの場で中から蜂蜜を採り出すんだけど、今の俺にはそれは必要ない。
デカブツを収納できる【スクナビ・ナッツ】というカプセルが有るからな!
ナッツを翳して気を送ると、ハニーターネペントは瞬時に消え去った。
これも曜術師にしか使えない曜具らしく、こんなに使い勝手がいいのに普及していないってのが悔やまれる。
普及してたら多分魚も生臭くなかったんだろうになあ……。
閑話休題。解体は宿に帰ってからにしよう。
「それにしてもツカサ君、よく補助呪文の使い方を知ってたね」
「え? ……ああ、あの、術を発動する前にブツブツ言ってた独り言?」
「そうそう、曜術師は術の威力を高めたり安定させるときに、自分だけの補助呪文を詠唱するんだよ。特に決まった文言はないし、人によっては記述拒否されるような言葉を使う事も有るから……決まった文言のある曜術以外は、指南の本とかには載ってないんだけどね」
記述拒否される呪文って、どういう言葉を使ってんだろうか。
ちょっと気になったけど、俺もロクなこと言ってなかったような気がするから何も言わない。でも補助呪文か。慣れない内は積極的に使って行こうかな。
ともかく、宿に帰ったら蜂蜜瓜を捌いて調合や加工するぞ!
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