3.蜂蜜瓜とスケベ心

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  「キュッ」  次は下部……蜂蜜を蓄えてあった部分、そして最後は中の溶解液に触れていた部分を食べる。出て来たロクは苦そうな顔をしていた。  多分、中身はダメだな。 「溶解液が触れてた所以外は食べられそうか?」 「キュー!」  俺の言葉を理解して、ロクは一生懸命に頷く。感応能力のお蔭なのかは知らないけど、ロクは俺の言っている事が全て解っているみたいなんだよな。  じゃあ、内部は残して下部と表面は試食してみよう。  サクサクとでっかい食虫植物を解体する俺に、ブラックは嫌そうに顔を歪める。 「ええ……それ食べるの……?」 「ロクが大丈夫って言ってるんだからいいじゃん。アンプネペントも食べられるんなら、コイツだってそこそこイケるはずだぜ」 「でもさあ……いっくら瓜っぽいって言ってもねえ」  ええいうるさい、食べたくないんなら食べないでよろしい!  人間を食べてる瓜じゃないんだから、(おぞ)ましさは無いはずだぞ。  綺麗に取り分けて、内部は焼却処分。表面はだいたい厚さ八センチくらいは残す事が出来た。一応下部と表面は良く洗って、切り分ける。  さて、実食。 「うーん……こうしてみるとわりと果物っぽい……かも」  俺は改めて表面を観察した。  皮の部分は薄く、中の果肉……と言っていいのか……その部分はマンゴーとかの果肉を思い出す。においは無いが味はどうなんだろうな。  いや、迷う事は無い。ええいままよ。  思い切って、俺はそれを齧った。シャクっと軽い音がする。 「……どう?」 「……ん! 結構おいしいかも! 水気が多くて味が薄いけど、わりと甘い。普通の果物よりは美味しいんじゃないか? 蜂蜜のせいかな」  味の薄いスイカって感じだろうか。続けて下部も食べてみて、二度驚いた。そこが一番美味しかったのだ。蜂蜜が染み込んでいるからか、かなり甘味が有る。  これデザートに向いてるんじゃねーの?  教えてくれたロクに美味しい下部を沢山あげながら、ブラックにも食べさせる。すると、ブラックも驚いたのか目を丸くしていた。  
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