1.初めて歩く旅の道

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   しかも、ザドの砦では買い食いするわ美味しそうなドライフルーツ買っちゃうわで、つい出費してしまったからこれからは倹約せねば。  あまりにもゲームっぽいからついはしゃいでしまった。テヘペロ。  とにかくまずは村に行かないとな。砦から一番近い村ってーと……。 「えーと……このヒュカって村が一番近いんだよな?」 「そうそう。あ、そうだ。村に入ってもあんまり油断しちゃだめだよ、ツカサ君。村はね、街や観光地とは違って障壁を張ってないんだ」 「え、そうなの? てっきり村にも張ってあるんだと思ってた……」 「障壁を発生させる曜具はかなり高価だから、普通の村じゃまず買えないんだよ。買えても、時限のある廉価版だったりする所が殆どだしね。だから村には傭兵や自警団がいて、周囲を守ってたりするんだけど……全方位が安全な訳じゃないから、あんまり僕の側を離れないでね」  改めて一緒に居ろと命令するとは、はて面妖な。  ぼくは強いから守ってあげるよって言ってるのかと思ったけど、この流れだとそうじゃないよな。 「もしかして、ブラックは障壁術とか使えるのか?」 「うん。ちょっとだけね。僕は守ったり癒したりする術はあんまり得意じゃあないけど……ごく狭い範囲の障壁くらいなら作れるから」 「狭い範囲って、どのくらい?」 「君が抱き着いてやっと障壁に入れるくらい」  ……図書館で借りた本に障壁術(バリア)の事が載ってたな。  あれって【気】で使える術だけど、その代わりかなり難しいって書いてあった気がする。発動するだけでも大変で、その上熟練の術者じゃないと制御も無理だし、術者の思いやりの心に影響して範囲が決まるとも書かれていたような。  と言うことは、ブラックの狭すぎる障壁は要するに「心が狭い」って事で……。  って、お前どんだけ他人守りたくないんだよ。心閉ざすにもほどがあるだろ。  
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