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トンデモナイ勘違いしてたこの子ー!
まって腐女子キャラ萌えはさすがに俺もまだ得意じゃないっていうか自分にそういう視線を向けて貰っては困りま……いや、この世界は男同士で結婚が普通だったな……ムルカちゃんが勘違いするのは仕方ないのか……。
普通に旅の仲間ですねって言ってくれる女の子、これからどれくらいいるのかな……ハハ……。
ていうか格好いいおじさまって誰。
まって。ムルカちゃん荷物持って行かないで。俺に釈明させて。
あとそいつ色情狂だから近付いちゃダメ。話かけたら汚れちゃう。
「あはは、ムルカちゃんはお世辞が上手だね」
「そんな事ないですよ~! それに、あたしそんな綺麗な赤髪が本当羨ましくて。あたしのくすんじゃってるんで……生まれた時は綺麗だったんですけど、農業してたら日に当たってばっかりでしょ? だから、くすくすになって」
荷物を持ちながらしょぼんとするムルカちゃん。撫でたい。
確かに、ブラックの髪と比べると彼女の髪色はくすんでいるが、ムルカちゃんの髪は捻じ曲がってない分、上質な糸みたいで綺麗なんだけどなあ。
なんか、あれかな。潤いが足りないみたいな話なのか。
「お客さん達の部屋は八号室になります~。はい、これ鍵です。お食事はお早めにお願いしますね」
「ああ、ありがとう」
髪の毛について考えている内に、部屋へと着いてしまった。
この世界の簡素な宿っていうのは部屋が狭いもので、造り的には俺の世界のビジネスホテルと変わらない。二つのベッドと小さなテーブルだけで部屋は満杯だ。ベッドは乾草のベッドらしく、微かに青臭い香りがした。
ここだけは律儀にファンタジー仕様だ。座ってみると意外とふわっとしてて、かなり体が沈むけどそこそこ気持ちいい。結構快適かも。
「あんまり遅くなると悪いし、食事しに行こうか」
「そうだな。このままだと寝ちゃいそうだし」
「はは、ツカサ君今日は頑張ったもんね」
おう頑張ったともさ。でも、これからはこれ以上に歩く事になるんだよなあ。
いつまでもヘバってブラックに笑われるのは悔しいし、体力つけなきゃな。
とりあえず、今日はメシをたらふく食べてぐっすり眠ろう。
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