吉崎 恵

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私はその日から、学校に行けなくなった。 知らない人からも、指をさされてヒソヒソ言われて、クスクスと笑われ、クラスの女子からは『身の程知らず』と壮絶ないじめにあった。 私は学校や両親と相談して、今住んでいる所からだいぶ離れた、一人暮らしをしているおばあちゃん家で暮らすことになった。 おばあちゃんは私のことが大好きだったので、一緒に暮らせることを、心から喜んでくれた。 「恵ちゃん、そんなに悲しい顔をして、とてもとても辛かったのね。もしお話出来たら、何があったのかおばあちゃんに話して。おばあちゃん、恵ちゃんの力になりたいの。恵ちゃんの幸せがおばあちゃんの幸せなのよ」 おばあちゃんの家に行ったその日、おばあちゃんは私を心から受け入れてくれて、優しく私を抱きしめてくれた。 私を抱きしめるおばあちゃんが、とてもとても温かくて、私はその腕の中で、声を上げて泣いた。そして、今まであったことを全て話した。
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