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先輩はドンドンッと俺の肩を柵に思い切りぶつける。
ツッ…と痛みをこらえ、肩から滴る血を眺め、諦めたように見せかけるために目を閉じ、肩の力を抜く。
遂に彼女は俺を屋上から突き落とした。
俺は咄嗟に目を開き、クルクルとバク転をして華麗に着地した。そしてその場で意識を失った。
目を覚ますと、そこは真っ白な部屋だった。
俺のファンクラブの人達、先輩、先生方、家族、クラスメイト、友達etc…の人達がまわりを囲み、俺をジッと見つめていた。
先輩が俺が目覚めたことにいち早く気付き、ナースコールを入れた。
友達の桜木 智哉(さくらぎ ともや)が
「ここは病院だよ。」と言った。
身体を起こそうとすると鋭い痛みが走り、慌てて肩を押さえる。
「なぁ智哉、俺どうしたんだっけ?」
「!?まさか侑翔、記憶喪失じゃ…。」
「いや、智哉の名前とかは覚えてるんだからそれは無いでしょ。」
「いや、ここ2、3週間程の記憶は失っている可能性が有ります。」
「えーと…、貴女は?」
「あぁ、ナースの冴島です。主治医の藍川先生は今日のヘリ担当でして。」
「えと、ここはそんなに大きな病院なんですか?」
「ええ、まぁ程々ですかね。ここは翔陽大学附属北部病院緊急救命センターです。」
「ってことは千葉県の…。」
「ええ。」
「今日は何月何日ですか?」
「3月14日です。」
「えええっ…Σ(Д゚;/)/。」
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