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「ついて来て。」  私には思い当る場所があった。それは、ここから小一時間歩いたところにある廃工場だった。そこで何を作っていたかは知らない。雑草が生い茂ったその場所には、不気味な静けさをまとった、だだっ広い空間が残されていたことを覚えていた。  廃工場の中に入ると、おじさんは不思議そうに辺りを見回していた。 「……ここは?」 「廃工場よ。」  私が答えると、おじさんは廃工場の天井を見つめながら、しばし考え込んだようだった。 「そうか、そういうことか。」  おじさんは天井を見つめたまま、そうつぶやいた。おじさんの説明では、おじさんの星にこのようなものはないそうだ。遺跡として保存されているものはあっても、基本的に使われない建物はすぐに更地にされ、新しい建物が造られるらしい。だから、こんなものがあるということ自体、予想できなかったそうだ。 「おじさんの星には、おじさんみたいな召使いがたくさんいるからね。」 「だから、こんな建物はあっという間になくなってしまうんだ。」  その時はおじさんが何を言っているのか全くわからなかった。 「ありがとう、ここなら大丈夫そうだ。」 「ちょっと下がっていてくれるかな。」  おじさんが私を廃工場の片隅に移動させると、何もなかった空間に巨大な宇宙船が姿を現した。
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