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「凄い……。」  最初は頭が狂っているんじゃないかと思っていたおじさんの話は嘘ではなかった。 「実は3基あるエンジンのうち2つまでもが壊れてしまってね……こうして姿を消しているためには、とてつもないエネルギーが必要なんだ。」 「だから、修理に必要なエネルギーが足らなくて、思ったように修理が進まなくって困っていたんだ。」  私はまだまだ子供で、小学校にも通っていなかったから、難しい話は理解できなかったが、おじさんが困っていたということは、なんとなく理解できた。 「ここなら、修理に専念出来そうだ。ありがとう。」  おじさんはもう一度私にお礼を言った。 「そうだ、お返しをしなくちゃね……何がいいかな?」  さしあたっては食料だが、多少の食料があったところで、何も変わらないことはわかっていた。やるべきことは現状を変えることだ。 「どこか別の国に連れて行って。」  それは切実な願いだった。 「私だけじゃなくて……幼い兄弟たちも。」  私には6歳の弟と4歳の妹がいた。血はつながってなかったが、私が面倒を見ている大切な家族だった。今は森の中にある隠れ家の中で、私の帰りを待ちわびているだろう。
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