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とある山奥の研究所
とある山のふもとにある地方。
その地方の人は、あまり山に近寄らなかった。
獰猛な獣がいるのではない。
むしろこの山に動物はいない……というより、襲ってこない。
その理由とこの山にだれも入りたがらないわけは、実際に見たほうが分かりやすいにちがいない。
百聞は一見にしかずという言葉もある。
というわけで、この山の中の様子をみてみよう。
まず山に入ると、いくつもの糸が張ってある。
その中には細く透明なものもあり、気づかずに引っかかると……。
ガシャーン!
上から突然おりが落ちてくるだろう。
また別の糸に引っかかると……。
ゴロゴロゴロ……という何ともいやな予感のする音とともに、上から岩が転がってくる。
また別のに引っかかると、そのたびやりが飛んできたりコショウが目にむかってとんできたり……。
人々がこの山に入りたがらない理由が、これでわかっただろう。
みな、このトラップにかかって命をおとすのが嫌なのだ。
獣が襲ってこない理由?
それを知るためには、もう少し先に行かないとならない。
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