トイレにイットイレ

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 猫ちゃんはご馳走が待ちきれないのか? 尻尾がダブルダッチの縄跳びみたいに動きます。  金のスプーンをパッ缶し、化け猫の前に置きます。ツイちゃんが夢中で食べていると、花子さんは、化け猫に呼び掛けました。 「記憶は戻ったか? ツイン?」  ガツガツガツガツ 「もう話せるだろ?」  ムシャムシャムシャムシャ 「満腹になったか?」  ムニャムニャムニャムニャ  満腹になったら寝てしまう。これは私も共感できます。化け猫は、目が三日月になり、舌をだして熟睡します。これは演技ではありません。何とも幸せそうなのです。流石はメーカー物のご飯です。猫の気持ちを掴んでいます。  一方、花子さんは、呼び掛けに答えないツイちゃんに痺れを切らしたのです。 「寝てんじゃねぇ!」  彼女は、スマホの中に居ても迫力が有ります。怒鳴られたツイちゃんは、目を明け、何が可笑しいのかニヤニヤしています。壊れた機械みたいに同じワードを繰り返します。 「悪い悪い悪い悪い悪い悪い」 「もういいよ! それより、妖怪情報を寄越しな!」 「う~ん、ここの団地にゃ邪鬼が居るにゃ。かにゃ棒で叩いて人の骨をバラバラのグチャグチャにして、餅みたいに喰らうにゃ」  ツイちゃんの報告は、かなり物騒なものでした。  私は、ツイちゃんと花子さんの会話を聞いて、内心穏やかでは居られません。友達が鬼に食べられそうなら、不安になるのも当然でしょう。ツイちゃんの寝顔に共感している場合ではなかったのです。茜の事を忘れるなんて、酷い話です。 「茜ちゃんは、両親が旅行に行っていて、家に独りなんです」  私は、すっかり動揺していました。そんな時、花子さんは言葉を掛けてくれます。 「早苗、落ち着け。茜が邪鬼に喰われたとは限らん。それに、相手は鬼だからな。助っ人が必要だ」
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