トイレにイットイレ

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 さて、茜が居なくても、時間の経過は刻刻と進みまして、それは、一時限目の授業中に起きます。  発端は、柄にもなくネットサーフィンをしていた事で、突然、恐ろしい物を見てしまいます。何と、赤い警告文字で、ウイルスに感染したとの通知が来たのです。 「なになに、私、やっちゃたの?」  私は、ネット上にあるトラップに引っ掛かり、パニックを迎えます。しかも、サマンサタバサと間違えて、サマンサタバタをクリックすると言う、初歩的なミスをやらかしたのです。 「なになに、下の表示をクリックして、ウイルス対策ソフトをダウンロードしましょう。決して怪しいサイトではありません」  いちばん後ろの席とは言え、授業中なので、かなり焦ってしまいます。思えば修学中の身で、ネットサーフィンなんぞで、ノリノリに調子こいた罸が当たったのでしょう。後悔しましたが、既に遅いようです。 「よし、ダウンロードすれば良いのね」  指示通りにクリックします。後で冷静に考えると、私は詐欺師に好かれるタイプかも知れません。  さて教室内は、授業中にも関わらず騒がしさ満点でした。その理由は、数学教師の日馬先生が熱心なタイプでは無く、時間通りに授業が終われば満足な無気力くんですので、生徒は自由を謳歌していました。  スマホゲームやSNS、または早めの食事をしています。  もっとも、伸び伸び出来るのは数学だけで、他は厳しい教師が多いです。   そんな中、怪しげなアプリをダウンロードすると、インストールが完了します。  画面には、「花子さん」のタイトルが表示されました。
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