第2章 ついにスタート!!萌えの塊、○○○!!

53/54
994人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
“くろう”。 その言葉を聞いた瞬間、僅かに自分の体が強張ったのが分かった。 爽やかな烏丸君とは無縁そうなその言葉は、俺が族で使っている時の名前と同じ響き。 脳より先に体が警戒するのは、ある意味本能と言ってもいいかもしれない。 ・・・って、そんなことより。 烏丸君がどんな意図を持ってこの言葉を聞いたのか分からない今、下手に動くと周りの人間を巻き込むかもしれない。 いや、ここまで長く考えてることこそが肯定だと思われる・・・? ダメだ、上手く考えられない。 「・・・く、“クロウ”って烏だよね?烏丸君と同じだね!!」 考えることを放棄したせいで、口から出たのは変な答え。 焦りすぎて言わないでいいことを言ってしまうよりかはマシだが、絶対烏丸君に呆れられる・・・!! 「・・・ふふっ。」 「へ?」 「ははははっ!!確かに俺のことですね!!」 あ、あれぇ? てっきり呆れられると思ってたのに、なぜか烏丸君のツボにハマってしまったらしい。 まぁ、何だこの先輩はみたいな目で見られたら確実に死んでいたと思うので、笑われるくらいは多目に見よう。 というか、烏丸君って笑うと爽やかじゃなくて無邪気になるんだなぁ。 意外なとこにギャップ萌えが隠されてたぜ。 このギャップで宇宙人を攻略してくだせぇ、切実に。 「・・・ねぇ、雪兎先輩。」 「ん?」 「烏って実は、雑食なんです。だからゴミだけじゃなく肉だって食べます。」 「そう、だね?」 ??? 烏丸君はいったい何が言いたいんだ? ・・・もしや、烏の話をされたから自分の知ってる烏の知識をお披露目しようとか? 考えただけで可愛いね・・・? もうこの子宇宙人とじゃなく、一匹狼なえ◯やん・・・九頭龍君とお付き合いすべき。 不良×爽やか、絶対美味しい。 「だから、雪兎先輩も気を付けた方がいいですよ?・・・大事な何かをペロリと食べられちゃうかも。」 九頭龍君と烏丸君の妄想で脳を酷使していた俺は、烏丸君のこの言葉を右から左へと流してしまった。 ・・・これが、彼なりの“忠告”だったことに気付きもしないで。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2ヵ月近くぶりに更新させていただきました・・・!! 次回更新は未定ですが、お付き合いくだされば幸いです
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!