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泣いてる黒羽に会うことも慰めることも叶わず。
俺は今、超般若顔な会長様に腕を掴まれております。
どうやら葵さんと話してた最中に召集時間は過ぎていたらしい。
・・・あ、あのむちゃくちゃ反省してるのでそろそろ腕離してもらってもいいですかね?
会長に掴まれた腕に感覚がなくなりつつあるんですが。
「・・・続きまして体育祭の人気競技の1つ、借り物競争です!!さぁ、今年は誰が“あのお題”になるのでしょうか!!」
俺の心の叫びが伝わったのか、借り物競争の始まりを告げるアナウンスが入る。
それと同時に腕が離され、俺は掴まれていた部分を優しく撫でた。
・・・うぅっ、お労しや我が腕様。
「会長の鬼畜・・・ドS・・・。痕残ったらどうしてくれるんですか・・・。」
「はっ。残ったら責任取ってやるよ。」
「あ、そういうの俺には必要ないんで。・・・あっ、違いますよ!?俺に対するそういうスパダリ発言はいらないって意味で、他の人にはぜひ言ってください!!悠先輩とか悠先輩とか悠先輩とか!!」
そう言った瞬間、会長が満面の笑みを浮かべた。
それと同時に背筋に走る悪寒。
・・・か、会長様ジョークですよジョーク。
だからそんな殺気立った笑顔向けるのやめてください。
「・・・絶対お前を借りてやるからな。」
「えっ、まさか俺が走る前に体力消耗させる作戦ですか!?いくらお怒りでもそれはさすがn・・・ひ、ひぇっ何でもございませんっ!!」
会長の殺気が強くなったので、俺はお口ミッフィーに専念する。
俺は空気が読める子ですから。
こうして競技開始まで、俺はミッフィーごっこをするはめになったのでした。
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