第1章 不穏な影と2人目の〇〇〇

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・No side・ 月夜の光が差し込む廊下で、真っ黒い影が動き出す。 黒い影の先にいるのは、青みがかった黒髪を持った生徒会会計親衛隊の1人である・・・浅葱蘇芳。 もうすぐ作品の展示会があるため、彼は夜遅くまで美術室で絵を描いていたのだ。 その後ろ姿を、黒い影が捉えた。 「・・・じゅーさんばんめ。」 「っ!?おま、えは!?」 「悪いけど・・・消えて?」 黒い影は思いっきり腕を振り上げると、勢いを殺さぬままに蘇芳のお腹に拳を殴った。 「ぐっ、は。」 「まだまだこれからだ。」 黒い影がニヤリと口角を上げる。 その目には様々な感情が入り交じっていた。 「・・・雪兎に近付く悪い虫は、全部消さないと。」 ね?と蘇芳に笑いかけながら、黒い影は蘇芳を殴るのを再開した。 ーーーーー・・・ その光景を監視カメラ越しに見ている1人の青年もまた、口角を上げていた。 「ふふっ。ちょっと言っただけなのに信じちゃうとか、本当にバカだなぁ翼は。・・・ま、“朱姫”だった翼なんかどうでもいいんだけど。」 監視カメラの映像を切った青年は、部屋の奥へと進む。 そこには、壁一面に“黒髪と赤目の青年”の写真が張られていた。 「あぁ、やっと手に入る。待っててくださいね・・・“黒兎様”。いや、雪兎先輩。」
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