第1章 不穏な影と2人目の〇〇〇

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・No side・ 学園を統べる2つの柱である、生徒会と風紀委員会の各2トップ。 そして各委員会の長である委員長達が集うここは、学園内でもお偉い様の接待か“緊急役員会議”のみでしか使われない、隠し会議室だ。 そんな場所で、今厳かに会議が行われようとしていた。 「緊急役員会議が開かれた理由は、もう全員わかってると思うが・・・蘭。」 「はい。」 生徒会長というこの学園のトップに名を呼ばれたのは、大変可愛らしい少女・・・否、男の娘が円卓に備わっている椅子から立ち上がる。 普通学園のトップから名を呼ばれればビクビクしそうものなのに、彼は堂々と胸を張って話し始めた。 「広報委員長、蘭蒼空よりご報告させていただきます。最近、親衛隊員の子達が次々と怪我を負うという事件が起きています。中には意識不明で病院に搬送された子も。・・・ここまではみなさんが知っていることでしょう。」 彼・・・蒼空がそう言えば、その場にいた全員の顔が真剣なものへと変わる。 ここから先話す内容は誰も知らないものだという意味が含まれていると、みんなが気付いたからだ。 「前広報委員長である雲雀先輩が、アメリカに行く前に教えてくれました。・・・僕達は“親衛隊員”という枠組みに囚われすぎていて、核心的な部分に気付いていないことを。」 「ほう?それはいったい何じゃ?」 イケメンな容貌とは不釣り合いな古風な言葉を使いながら蒼空に尋ねてきたのは、図書委員長の綾小路志紀。 好奇心半分真剣さ半分で聞いてきた志紀に対して少しだけいらだちを感じたが、蒼空は顔に出すことなく続けた。 「襲われた“親衛隊員”の内、過半数が・・・“篠原雪兎”先輩の親衛隊員です。」 ーガタンッ!! 硬いものが床に叩きつけられた音が会議室に響き渡る。 音の原因は、雪兎の上司のようなものである・・・春臣だ。 「どういう、ことだ!?」 「分かりません。偶然そうなったのか、はたまた計画的なものなのか。・・・ただ1つ言えることは、もしもこれが計画的なものなら、篠原先輩に激しい憎悪を抱いているか狂愛的な思いを抱いているかのどちらかだと思います。」 分からないと蒼空は言ったが、薄々気付いていた。 この事件の犯人が、狂愛的に雪兎を愛していることに。
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