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・No side・
「過去に会計が抱いたやつの報復とかじゃないのか?結構派手に遊んでたんだろ?」
体育委員長である榊原尋貴がそう言った瞬間、隣の席に座っていた悠が榊原の胸倉に掴みかかった。
「あなた、毎度毎度言葉が足りないと思ってましたが・・・本当はわざとなんですか?」
「は?どういう意味だ、副会長。」
「私達生徒会はあなたよりも彼の傍にいたから分かるんですよ。・・・彼が案外純粋で、そういったものに疎いことに。」
「事実、アイツが遊んでるって噂を流していたのはアイツの親衛隊の隊長だ。アイツが下手に襲われないよう遊び人に仕立てあげ、夜に誘われても『先約があるからごめん。』と言って逃げれるようにしたんだよ。」
「お前達がそう言うなら、そうなんだろうな。」
雪兎をよく知る生徒会の2人に言われ、素直に納得する尋貴。
言葉が足りないという欠点さえなければたいへん優秀な人材なのに、と尋貴以外の誰もがそう思った。
「僕、雪君と同じクラスですが誰かに憎まれるような子じゃないと思います。」
恐る恐るといった風に小さく手を挙げながら発言したのは、美化委員長である西宮麗。
それに同意するように頷いたのは、2年生で委員長を務めている保健委員長の神楽坂緋雨と飼育委員長の椿原蒼真だ。
「私は雪兎様と同じクラスではないですが、雪兎様の親衛隊の隊長と副隊長とは同じクラスなのでよくお話するんです。2人共雪兎様のお話をされていると幸せそうなお顔になるので、雪兎様が誰かから憎まれるというのはありえないと思います。」
「俺もそう思います。うさちゃ・・・雪兎君は兎みたいにぴょんぴょ・・・じゃないや。とにかく、雪兎君はクラスのムードメーカー的なところがあるし親衛隊の子とも仲いいんです!!だから、憎まれるというのは絶対ないです!!」
2年生組の熱い語りを受け、春臣はこの事件を雪兎に狂愛的な思いを抱いている人間が関わっているという方向で調べることに決めた。
「とりあえず、被害者聞き込みを開始すべきだな。」
「はいはーい!!こーいうことはぁ、風紀委員会にお任せあれぇ!!聞き込みと言えば風紀委員会のお得意の分野だしぃ、ゆっきーは大事な友達だからねぇ!!」
「任せたぞ、橘。」
「はーいっ!!」
にっこり笑った昭の目が、冷たく光っていた。
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