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・No side・
だが黒羽の乱れた姿を見て悦に入っていたのは一瞬で、事後のようにぐったりとした黒羽を午後の競技までに回復させるよう動き出した。
その動きは一切の無駄がなく、“お仕置き”と称して自ら壊した“主人と従者”の関係を瞬く間に取り戻す。
黒羽は夏樹が放つ雰囲気の変化を感じ取って安堵すると同時に・・・少しだけ寂しさを覚えた。
いつもの“主人と従者”の関係ではない、名前のない関係に終わりが来たのが。
・・・だが、しかし。
黒羽は花開院家の跡取りで、いつかは嫁を娶り花開院家の血を残さねばならない。
それを分かっている黒羽は、夏樹と同じように意識を“花開院家の跡取り息子”に戻す。
まるで先程までの交わりがなかったかのように。
『・・・なぁ、夏樹。』
『はい、何でしょうか?』
『夏樹は、ずっと傍におってくれる?』
『・・・えぇ、いつまでも。俺はあなたの従者ですから。』
その答えに満足げに笑った黒羽の目尻には、薄っすらと雫が滲んでいた。
ーーーーー・・・
「・・・ってな感じや。」
・・・。
えっ、何これ腐男子の妄想が爆発してついに幻聴まで聞こえ始めた?
今、黒羽昼休みのほとんどを使ってナツにペロペロされてたって聞こえたんだけど。
恐る恐る黒羽の顔を見れば、頬を真っ赤に染めて瞳をうるうるさせているから先程の言葉が幻聴ではなくリアルなやつだと察した。
つ ま り 。
みんなが楽しくお弁当やら学食やらを食べている間に2人はラブラブしてたって訳ですね何それ鼻血モノ。
しかも学園モノでよくある保健室とか寮じゃなくて温室で、とか腐男子殺しに来てますよね?
前からナツ黒を推していた俺のHPはもう0である。
午後の競技参加しなくてもいいかなぁ・・・?
などと思っていたら。
「っく。」
隣から啜り泣く声が。
瞬時に隣を見れば、ぐすぐすと鼻を鳴らすスーパープリティーな黒羽が。
可愛いすぎる!!天使!!と脳内で我が従兄を絶賛しながらも、なぜ泣いているのかを黒羽の頭を撫でながら聞き出す。
・・・もしも泣いてる理由がナツだったら、絶対ナツさんぶん殴るからな。
「・・・俺なぁ、夏樹のこと好きなんや。」
えぇ知っていますとも主従萌えますよねぐ腐腐。
いや黒羽とナツの場合下剋上か。
脳内でぐ腐腐なことを考えつつ、黒羽の話に耳を傾ける。
「でも、俺はいつかは他の人間と結婚せなあかん。・・・好きな人に好きって言えれんの、こんなつらいと思わんかったわ。」
「黒羽・・・。」
「でもな、今日こんな風に痕つけられて、いつまでも傍におってくれるって言ってもろてな。それだけでめっちゃ嬉しいねん。・・・俺は1人じゃないんやって。それだけで頑張って生きようって思えんねん。」
黒羽はそこで言葉を区切ると、俺の瞳をじっと見つめた。
・・・そして。
「・・・だから、俺はこの想いを捨てようと思う。“花開院家の跡取り”にこの感情は不要や。」
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更新遅れてすみません!!
イチャイチャからのシリアスに温度差で風邪引く方もいらっしゃるとは思いますが、今後の展開的にこのシーンはいれたかったのでお付き合いくださいませ
ここでは黒羽こう言ってますが最終的にナツとハピエン迎えますので!!というかナツ黒厨な私がバドエンになったら死ぬので死ぬ気でハピエン迎えさせます!!
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