第1章 不穏な影と2人目の〇〇〇

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・昭 side・ ゆっきー・・・篠原雪兎は俺の親友であり、良くも悪くも人目を惹く存在だった。 近付けば分かる、人工物の髪と茶色の瞳。 それを自然に見せるくらい、作り物めいた美しさ。 だけどその本来の美しさを目立たせないような明るさ・・・チャラさを持ったゆっきーは、簡単にこの学園に染まっていった。 男に恋をし、欲を満たすこの学園の在り方に。 でも俺だけは気付いていた。 ゆっきーが本当はチャラ男じゃないことも、異性愛者ということも。 だって俺も“同じだから”。 似たような人間と仲良くなるのは簡単で、俺とゆっきーはすぐさま仲良くなった。 いつも傍にいる幼馴染君の次くらいには仲が良く、お互いの部屋に行くのはしょっちゅうだったし、挨拶代わりに「今夜どう?」と言うのも当たり前になっていった。 友達として大好きで、大事なゆっきー。 ゆっきーのピンチなら、俺は喜んで助けになろう。 自分の素顔が、バレることになったとしても。
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