第1章 不穏な影と2人目の〇〇〇

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・黒羽 side・ 雪兎達が大阪に来てから2週間後、突然夏樹から電話がかかってきた。 その内容は、“今学園内で起きている事件の犯人が、もしかしたら雪兎を狙っているかもしれない。”というもの。 可愛い雪兎がやばい男に狙われてるかもしれないと思った俺は、すぐさまお父様にお願いしたのだ。 『雪兎がいる学園に転校させてくれ。』 と。 幸い雪兎の学園は社長令息やらアスリートの子供やらがわんさかいる上に国内でもトップクラスの教育環境が揃っているため、すぐにお許しが出た。 そして編入試験も無事満点合格し、夏樹から送られてきた鬘と眼鏡(夏樹に身を守るための防衛具だと言われた)を付けて今に至る。 ・・・が。 今更ながら思った。 夏樹、詳しい話を俺にしとらんよな?と。 「雪兎がどう狙われとるんか聞かな、対策しようもないやん。」 「今はまだ雪兎様に被害はありません。」 「・・・はぁ?どういうことや!?お前ほんま説明足りへん!!」 「落ち着いてください。話が一向に進みません。」 夏樹の言うことが正論だったため、渋々黙って先を促す。 いつもはハキハキ言う夏樹が珍しく言い淀むので、俺はすぐに我慢出来なくなった。 「はよ言えや!!」 「うっさいです!!どこまで噛み砕いて説明するか考えてたんですよ!!・・・黒羽様、親衛隊って分かります?」 「?国王とかを護る護衛のことやろ?」 「・・・はー。まさかそっからですか。」 夏樹はため息を吐くと、話し出す。 この学園の在り方と、雪兎を取り巻く環境を。
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