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そこまで祈った時に、耳のすぐそばというか、頭の中というか、どこからか声が聞こえた。
『えぇ~?!お賽銭15円ポッキリで、お祈りが長すぎるんじゃない?』
「ひっ」
ビックリして慌てて振り返ってみたけれど、誰の姿もなかった。気のせい?それにしてもやたらハッキリ聞こえたけど。気を取り直しもう一度お祈りする。明日の入試は私にとって一大事なんだから。ええと、どこまで言ったっけ?
西光高校に合格出来ますように。みっちょんと一緒に西光高校に通えますように。それから、ええと、
『だからさ、長いって!』
「きゃあっ!」
慌ててぐるっと確認したけど、やっぱり周りに誰もいない。何?何なの?その時、また同じ声が聞こえた。
『あのね、お祈りに応じた額のお賽銭を入れてくれないかな?』
「えっ、そんなの、“気は心”でしょ?」
あまりにハッキリと聞こえるから思わず声に出して返事しちゃった。つい言っちゃった。おばあちゃんの口癖だけど、“気は心”って。
『NO!毎日どれだけの人がお参りに来ると思ってんの?お賽銭の額は重要だよ。それによってコッチの対応も変わる。だから奮発しないとね。』
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