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これって神様?なんか口調が軽くない?何だかイマイチ有難味が湧かないような。
『あ、僕、新神だから。その辺あんまり気にしないで。』
何だろう、口に出した事以外にも読まれているの?
「しんかみ?」
『そうそう、新米の神様ってこと。神様には隠し事は出来ないよ。ほら、お賽銭、はずんで。』
勉強のしすぎかな?こんな変な声が聞こえるなんて。
『お、変な声って。失礼だね!いいよ、明日どうなっても知らないから。』
「わ、あーーーっ!待って待って、はずむはずむ、思いっきりはずむ!」
慌ててお財布から500円玉を取り出し、賽銭箱に勢いよく投じると、チャリーンとさっきよりも大きい金属音が響く。
『ふーん、500円ね。うん、まあ、お祈りは受け付けたから、明日は頑張って~。』
それっきりその声は聞こえなくなった。何?ドッキリとか?でも神社の境内はお祈りの前と同じく、しんと静まりかえったままだ。お賽銭に500円を投じた為、お財布はすっからかんになった。
新神?私の一大事、そんな神様に頼んで大丈夫だったのかな?安心する為に来たはずの神社で、余計な不安を抱える羽目になってしまった。
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