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潜入
「おお、今期はまるで『帰宅後のステマ・まじか』の血統のような宇宙少女ものだ、素晴らしい!ビューティフル!!」
日本海溝遠征基地ではモニターの前で長が絶叫していた。ヘッドホンで聞いていた為、間島と今泉の入室には気づかずに新番組の魔法少女アニメにご満悦だった。間島が長の肩を叩く。
「長、ご熱心のところ誠にすみません。」
長はモニターの電源を落とし、ゴホンと咳払いしてモニターを背にした席に座る。
「何用かね、制作進行16号と声優8号。」
最近は間島くん、今泉くんなどと地球人名で呼んでいた長が、業務名で呼ぶあたりに焦りが感じられる。
間島と今泉は長に箱田の推測を話した。長は技術者と他星に詳しい基地の所員を集めた。
「擬態システムを知っていれば逆位相信号でキャンセルは可能です。」
擬態システムの管理技術者が言う。
「擬態システムを……。オレメカン星人かペカルティア星人ですかねぇ。両方とも友好的な民ですが。」
宇宙生命に詳しい所員が言う。
「それにしてもドコにいるか分かりますかね?それ。相手の擬態をキャンセルする装置くらいすぐに用意しますが。」
擬態システムの管理技術者が言う。
「最近、オリジナルアニメでコケた作品で、4DCGSみたいな地球外技術を使っている作品とか探せないですかねぇ?」
今泉が言う。4DCGSとは、フィラフステ星人が監督と演出家の脳から直接3DCG映像を作り出す、地球には存在しない技術だ。
「オリジナルで大ゴケした作品、ちょっとスタジオでチェックしてみるわ。」
間島が言った。この日はこれで解散となった。
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