読み手作り手

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「ホットケーキ?ですか?」 「何か?」 「いえ。 じゃー、ホットケーキとホットコーヒーお願いします」 思いに反して、飲み物ではなく食べ物のお勧めを言われたことに面食らったが、確かに店内にいる他の客を見ると、皆ホットケーキと思い思いの飲み物を飲んでいた。 「それにしても、店名に似合わず誰も本を読んでないな。 ペンを持って紙に何か書いたり、パソコンで何かを打ち込んだり、、、」 「お待たせしました。 ホットコーヒーです」 頼んでから一分も経たぬうちに運ばれたコーヒー。 大丈夫?と顔に出てたのか、 「おいしいですよ」 とマスターから言われる。 苦笑いをする僕は、早速一口頂く。 「おいしい」 時間と味のギャップにより、思わず口に出た。 「でしょ? あ、あとね。 bookっていう店名とは裏腹に、ここは本が一冊もありませんので。 ここは、読むのではなく作る方。 つまり、皆が作家になり、絵本や小説など、本を自らが創作する場ですので。 とはいっても、ただ寛いで頂いても構いません。 では、ごゆっくり」 そう言うと、マスターは席を離れていった。
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