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「キリカちゃんから貰えたーー!!!!!」
黒崎キリカ。
『悪魔の爪』の女幹部役を演じるスーパー中学生にして、絶世の美少女。
そして、一郎の本命である。
彼女との出会いは尺の都合上別の機会にするが、彼はキリカに並々ならぬ感情を抱いている。
普段、家族のために自身のお小遣いまで使う献身的な一郎。
彼が唯一自己の欲求のために買ったのが、彼女の写真集である。
安心してほしい。健全なものだ。
ともかくそんな憧れを抱く相手からのチョコ。
嬉しくないわけがない。
「さて。あ、開けるか」
紙袋から恐る恐る可愛らしい包装がされた箱を取り出し、洗面所から持ってきたタオルの上に置く。
そして手をぬぐい、神とバレンタインを創った偉人に感謝を伝え。
箱を開けた。
「おおっ!!」
そこには茶色のカカオ菓子の上に、白い文字で『あんたはあたしが倒す!』と書かれた聊か物騒なチョコレートが鎮座していた。
所々ひび割れたりしていたが、それがより一層一郎に手作りであることを意識させる。
「......食べるのもったいねぇ」
文面的に義理であろう。
しかしどんな形であれ、キリカが作ったもの。
一郎にとってこれはどんな天然記念物よりも希少で尊いものであった。
「......はっ!」
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