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2月16日
『悪魔の爪』。
今、日本中でゲリラ的に悪さを働いている反社会団体。
その構成員は子供から老人。
人間から動物、未知の生き物まで。
人間離れした能力を持つ彼らに、警察や自衛隊は歯が立たない。
そこで生まれたのが『正義のミカタ』という『悪魔の爪』専門の戦闘集団である。
彼らは日々!
悪から世界を守るため!
活動しているのである!
『......じゃあ次の収録は来週の木曜日でお願いしますー!』
電話が終わったのを確認し、一郎はスマホをポケットにしまった。
「次いつだって?」
ソファに寝転んだ黒髪ショートの美女が尋ねてくる。
「来週の木曜日だってさ」
「一週間後かー。台本覚えなきゃー!」
ここまでで、察しのよい読者の方は気づいたかもしれない。
そう。
現在、日本で犯罪は数えるほどしか発生していない。
つまり、真相はこうである。
『悪魔の爪』と『正義のミカタ』の正体は、娯楽に飢えた日本国民に刺激を与えるために作られたエンターテインメント集団である!
彼らは正義側と悪側に分かれ、毎週話し合いを重ね、ゲリラ的に戦闘しているのである。
イメージがわきにくい方は、街全体を使ったヒーローショーとでも考えてもらえたらよい。
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