よる

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「じゃあなんでこんなこと頼んだの?」 「なんでやろ。人肌恋しい、みたいな」 「寂しかったの?」 「そうかもな。なんやろ、ガキのころからそういう時あってん。頭撫でてほしいとか、だれかに抱きしめてほしいとかおもうこと」 「わかるかも」 「わかる?」 「うん」 「でも、だれかに頼むのも恥ずいやん。中学生とかになったら。お母さんに、頭撫でてとか、抱きしめてくれとか、言えへんやん」 「ふふ」 「せやから、この気持ちが解消されることはなかってん」 「彼女は?」 「おらへんかった」 「じゃあやっぱり寂しかったんだ」
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