第一章 特殊警察部 怪奇課 幽霊係

5/33
前へ
/213ページ
次へ
20××年、日本の警察は幽霊が起こす怪奇現象の解決まで担うようになっていた。街中の啓発ポスターには叫び声をあげる女性が描かれ、その吹き出しに「怪奇現象は1104!(ひゃくとうばんよ!)」と元来の110番とは別の専門の番号が記載されている。「4」という不吉な番号がそれっぽいと採用した人間の気がしれない。そして一般と分けられているあたり、この通報の特異性を感じさせる。この番号へかけると、センターへ繋がり、その後、幽霊関係は幽霊係、妖怪関係は妖怪係など、担当場所へと連絡が入る。 「幽霊なんて……」と言われがちだが、この特殊警察部には毎日多くの事件が舞い込む。 そして、来年度その部署への異動命令が出た春市大和はとてつもなく落ち込んでいた。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加