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ゴールデンウィーク明けでうるさかった教室も、放課後になってようやく落ち着いてきた。
「さっき松崎さんにプリント渡したんだけどさ、やっぱりちょっととっつきにくいよね」
ぼんやり窓の外を眺める私について、ひそひそしているのは山口さんと谷さんか。
「右手のアレといい、大丈夫なのかな」
包帯でグルグル巻きにした己の右腕を見下ろす。 彼女達の言葉がいじめとかではなく、ただの興味本位によるものなのは知っている。
教室を出る。誰にも見られていないか確認しつつ、向かいにある資料室に鞄を持って入った。
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