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初めて見る広い世界。
そこには、僕を見つめる存在がいた。
ヒトだ。
ヒトの子だ。
ママに教えてもらった。
ヒトは甘えて声で鳴くとご飯をくれる。
だから、僕はヒトに甘える声で鳴いてみた。
するとヒトは僕の尻尾を掴みそのまま僕を誘拐した。
僕の必死の抗議も聞いてもらえない。
なぜなら、彼らには僕の言葉を理解する知能がないから……
誘拐犯は、大きな家の前に立つと大人のヒトに何かを話している。
「飼ってもいいでしょ?」
「だって、かわいそうだもん……」
「さあ、ママも一緒に捨ててあげるから……」
僕は、ヒトの言葉を理解できない。
なぜなら僕は子どもだから……
大人のヒトは、僕を箱のなかに入れた。
明かるかった世界が暗くなる。
そして、そのあと大きな地震が来たあと箱の底から不味い水が溢れてくる。
僕、どうなるの?
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