02 ぼくとおじさん。

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02 ぼくとおじさん。

 僕はネコである。  名前なんてない。  生まれた場所は、ぬくぬく家の中。  よくは覚えていない。  でも、にゃーにゃー泣いていたことだけは覚えている。  僕はここでヒトを見た。  しかも、そのヒトは獣医という名のヒトの中でも怖い種族なんだ。  ときには僕たちの体を切り刻み時にはまずいものを飲まされて……  でも、不思議と元気になるらしい。  でも、とっても怖い。    隣の檻のネコのタマさんが言っていた。 「ヤツらは、私の娘を誘拐して遠くへ持って行った」  遠くてどこだろう?  僕には、その意味がわからない。
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