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一「そう言えばリリは?一緒に居たんだろ?」
セラ「さぁ?酒屋に消えていったから、酒でも買ってるんじゃ無い?」
一「……」
聞いた俺がバカだったか…
セラ「それより、まだ動けないの?アンタ」
一「あぁ、全く言う事を聞かねえ」
セラ「本当使えないわね」
一「……」
セラとそんな話をしていると
リリ「あ、見つけました。セラさん!一さん!……って……何でそんな面白い格好してるんですか?一さん。それに…ハルさんは……?」
酷くない?全く面白く無いんだが?ハルは連れ去られて、セラには打たれて、リリには言葉のナイフで抉られて?オーバーキルですよ
セラ「ハルは居なくなったわ」
リリ「はぐれちゃったんですか?」
セラ「いいえ。言葉の通り、ハルは居なくなったわ」
リリ「え?」
セラ「あの子の家の人が迎えに来たみたい。もう、ココには居ないわ」
リリ「そ、そんな!!面白い格好してる場合じゃないですよ!一さん!!直ぐに追わないと!!」
リリさん??言葉のナイフで抉るだけじゃなく滅多刺しにしないで??
セラ「行かないわよ」
リリ「え?ですが…」
セラ「一には話したけど、ハルの実家なんて、誰も知らないでしょ」
リリ「……」
セラ「それに、このバカが変な魔法で動けないみたいだし。追ってくる事を見越して、こんな魔法を使われたのかもね」
一「……面目ねぇ」
セラ「アンタは別に悪く無いわよ。いや、私達が合流するまで保って欲しかったけども。仕方ないでしょ」
リリ「じゃあ……」
セラ「ここから先は、私たち3人で行くわよ」
リリ「……」
一「…」
リリ「一さん……」
そんな顔しないでくれ……。俺だってハルをこのまま見捨てる様なマネはしたくねぇよ………
リリ「…」
そうこうしていると、身体が自由に動くようになった
セラ「やっと戻ったわね」
一「あ、あぁ…」
ハルとあの男が歩いて行った方向を見る。すると
セラ「ん?何よこの紙」
一「え?」
そう言って、セラが俺の背中に手を伸ばす
セラ「…??何も書いてないわよ」
紙??……いつの間にそんな物が俺の背中にくっ付いて?
セラ「……」
セラが手に取った紙をマジマジと見つめる
一「背中……?」
そういえば…あの男に話しかけられた時、ハルが俺の背中で隠れて……
セラ「何か思い当たる節があるの?」
一「…。男が話しかけてきた時、ハルが俺の背中に回ったんだ」
セラ「ハルが??でも、何も書いてないわよ?この紙」
そう言って俺に渡してくる
一「本当だ」
リリ「ハルさんが何も書いてない紙を一さんに??」
セラ「確かにあの子、たまに抜けてる所あるけど、そこまで抜けてないでしょ。コレをハルがしたのなら、何か意味がある筈よ」
リリ「ハルさんの事ですから、魔力を込めれば文字が浮かび上がってくる……とか……あはは…。流石に無いですよね」
リリが苦笑いする
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