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ハル「……顔、洗ってくる」
一「おぉ、いってら」
そう言ってベッドから出て流し台に向かうハル。しかし、立ち止まりこっちを見る
一「どうした?」
ハル「…買い物。付き合ってくれるんだよね?」
一「ん?あぁ。直ぐに行くのか?」
ハル「…それでもいい?」
一「俺は構わないけど」
ハル「…ん、わかった。用意してくる」
そう言って小走りで流し台へ
一「??」
セラ「へぇ」
一「なんだよ」
なんとも言えない表情で俺を見てくるセラ。何なんだよその顔は
セラ「別に。ただ、珍しいと思っただけよ」
一「珍しい??」
セラ「ハルの事よ。余程、アンタの事気に入ってるみたいね」
一「そうか??」
セラ「普段は、何でも1人で行動する子だからね。あの子は」
一「……」
確かに、そう言われれば……前までそんな感じもあったような…?1人で出来ることは1人でやりたい…と言うか、そんなに大人数居ても邪魔って思ってる節があるって感じで
セラ「その通りよ」
一「だからお前は人の心を読むんじゃない」
リリ「あはは…」
ハル「…お待たせ」
そんな話をしていたら、ハルが戻ってくる
一「おかえり。じゃあ、行くか」
ハル「…ん」
セラ「そうね、チェックアウトもしなきゃならないし」
一「その時にもう、部屋を予約しておこうぜ…」
リリ「そうですね、何日か滞在するなら早めに予約してても良いですね」
セラ「それもそうね。私たちが予約しとくから、一はハルの事、頼んだわよ」
一「え?お前らも来るんだろ?」
セラ「行くけど、もう待ちきれないって顔してるからね、その子」
一「……あー」
ハルの顔を見るとウズウズしてそうな顔をしていた
一「…行くか」
ハル「…ん」
コクリと、力強い頷きが返ってきた
リリ「私はまず、寄るところがあるので合流は少し遅れます」
確実に酒の補充だった。聞かなくても分かる。それが分かるのが少し嫌だが……
一「了解」
ハル「…行こう、一」
一「お、おい…そんな引っ張るなよ……」
グイグイと引っ張られ、俺はハルに拉致られた
一「何を買いに行くんだ?」
ハル「…とりあえず、薬草のストックが無くなってきたから、薬草を見たい」
一「そう言えば、最近は薬草を摘む時間すら無かったもんな」
ハル「…ん。それに、欲しいのは珍しい薬草だから、普通の森の中じゃ手に入らない」
一「そうなのか。じゃあ、そこ行くか」
ハル「…ん」
一「しかし、言ったのは俺だけど。俺が付いて行って何かメリットはあるのか??」
ハル「…うまく言えないけど、一との買い物は楽しい」
一「そうか?俺は普通にウロウロしてるだけなんだが…」
ハル「…セラは直ぐに飽きちゃうから」
それは想像に難くない。多分、だが「ねぇ、まだなの?アンタの買い物、長すぎるのよ」とか言うのだろう。知らんけど
ハル「…それに、一は見てるだけでも面白い」
一「それは褒めてるのか??」
ハル「…そのつもり」
クスクスと笑っているが、多分褒めてないだろ、それ。落ち着きがないとか思ってるやつだろ
一「そうか」
そうこうしてると、お目当ての店へ辿り着いた
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