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一「くそぉぉぉ！！！！」
全く動かせる気配がない。そうこうしているうちに、ハル達の姿が見えなくなった
一「………」
守れなかった……。それどころか…また、ハルに守られてしまった………情けねぇ……っっ！
セラ「なに1人で恥ずかしい事やってんのよ」
一「！セラ！！大変なんだ！！」
セラ「アンタ、ハルは？？どこ行ったのよ」
一「ハルが！！訳わかんねー奴と一緒に！！！」
セラ「…」
一「あべしっ！！！」
思いっきりビンタされた。え……？何でビンタされたの？俺？？
セラ「落ち着きなさい。何があったの？訳わかんない奴と。って言われても私にはサッパリよ」
一「ぁ、あぁ…」
ジンジンと痛むほっぺに苛立ちを覚えながら、セラに先ほどあった事を伝える
セラ「はぁ！！？それで何でアンタは止めなかったのよ！」
一「止めたさ！！止めたけど……俺は動けねーし…ハルが俺を守る為に………」
セラ「…。アンタ、それ自分で言ってて恥ずかしくないの？」
一「恥ずかしいわ！！だからこうやってお前に相談してるんだろ！！」
セラ「はぁ……」
一「…」
セラ「で、アンタはいつになったら動ける様になるのよ」
一「それが…。その訳わかんねー奴が魔力供給出来ないくらい遠ざからないとダメみたいなんだ」
セラ「……」
そう言うと、セラの目つきが鋭く…と言うか、ゴミを見る様な目に変わった
セラ「本当、使えないわね。アンタ」
一「っ……」
セラ「……。まぁ、あの子も覚悟してたんでしょ」
一「え？？」
セラ「野宿の時、私とハルが話してた時有ったでしょ。アンタ達を先に寝させて」
一「ぁ、あぁ」
セラ「その時、ハルが言ってたわ。「この先、いつ私が離脱するか分からない。そうなったら、一やリリを頼むよ」って」
一「………」
セラ「急に何を言い出したのかと思って聞いたら、はぐらかされたけどね。あの子も何と無く、こうなるの分かってたんじゃない？」
一「そんな…」
セラ「まぁ、どっちにしろアンタが動けないんじゃ、しょうがないわ」
一「……。じゃあ、聞いて良いか？」
セラ「何よ」
一「何でさっき、俺にビンタしたんだ？雑魚キャラの断末魔あげちまったじゃねーか」
セラ「何故って…鬱陶しかったからよ」
一「落ち着かせる為でもねーのかよ！！！！」
セラ「それに何よ。雑魚キャラの断末魔って」
一「それはこっちの話だ。気にすんな」
セラ「まぁ、とりあえず落ち着いてきたみたいね」
一「…」
セラ「助けに行こうなんて、考えるんじゃないわよ」
一「え？」
セラ「ハルに任された以上。アンタ達に好き勝手動かれる訳にはいかないからね」
一「じゃあこのまま見捨てるって言うのか！！？」
セラ「そうよ」
一「……」
セラ「いい？ハルが連れ去られた時点で、私たちの負けよ」
一「何でそう言い切れるんだ！」
セラ「理由は簡単。私もリリも、勿論アンタだって、ハルの家の場所は分からないでしょ」
一「レグムじゃ……」
いや、ハルが自分の帰る場所はレグムって言っていた。だとしたら……他にも家が…？
セラ「あの子、そう言う事は言いたがらないから、私でも何処に家があるのか知らないわ。今、分かってるのはハルを迎えに来た人間はエクセル家の人間って事だけね」
一「そうなのか？」
セラ「……。アンタね…。まぁいいわ……旦那様とかお嬢様って言われてたんでしょ？だったら、普通に考えてエクセル家が雇ってる執事とかでしょ」
旦那様って…それじゃあ、ハルの父親……？結婚相手じゃなく。いや、どっちにしろ…
セラ「ハルからロクでもないとは聞いてたけど、ここまでとはね」
一「……」
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