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一「……」
セラ「…」
リリのその言葉に、俺とセラが顔を見合わせる
リリ「あ、あの…?」
一「あり得る……んじゃないか?」
セラ「そうね…。一!」
一「おう!!」
この紙に魔力を!!魔力集中と原理は同じ筈だ!全身の血を一箇所に集めるイメージ。今回は紙を持つ指で良いのか?
一「んっ……」
ボウっと指が光を帯びる。そして
一「!ボンヤリとだけど文字が!!」
セラ「ビンゴね。やるじゃないリリ」
リリ「え??えっ!!?本当にそうだったんですか!!?冗談だったんですが!」
文字がハッキリと浮かび上がる。しかし
一「………」
セラ「何微妙な顔してんのよ」
一「全く読めないんだが?」
セラ「はぁ!!?」
そう、紙に何を書いてるのかさっぱり分からなかった。そういえば……今まで、コイツらと会話はしていたが、この世界の文字を見たことがなかった。店の看板は絵だし…
セラ「はぁ……。そう言えば、アンタ異世界人だったわね…。すっかり忘れてたわ」
リリ「貸してください。読みますから」
一「あ、あぁ。頼む」
そう言って、リリに紙を渡す
リリ「えっと………」
「コレに気づいてくれてありがとう。私はここまでみたい。一達と過ごしたこの数ヶ月、楽しかった。コレから先、私は居ないけど一やリリ、セラが居るなら大丈夫。もし、それでもキツいなら一の契約者の力を借りると良い。必ず力になってくれる筈」
セラ「…それだけ?」
リリ「いえ、後は呪文が書かれています」
一「呪文?」
リリ「話の流れ的に、一さんの契約者をここに呼ぶ呪文ですね」
一「俺の…契約者を??」
リリ「はい。呪文は」
(我が名は 我が声を聞き届けし者よ、今一度我の前に姿を表し力となれ。召喚〈サモン〉)
リリ「と書いてますね」
一「…よし。我がむぐっっ!!」
セラ「バカ何やってんのよ!!何ここで呼ぼうとしてんのよ!!アンタ本当にバカなの!!!?」
呪文を唱えようとしたらセラに口を塞がれる
セラ「呼ぶなら一旦、街の外に出るわよ」
一「な、何で…」
セラ「良いから!!」
一「お、おぅ…?」
リリ「?」
セラ「アンタ覚えてないの?ハルが言ってた事」
リリ「ぁ……」
セラ「下手したら大騒ぎになるわよ」
リリ「そ、それもそう……ですね」
よく分からないが、ココで呼ぶのは大騒ぎになるらしい。ハルやセラ、リリも契約者の事は聞いた事ないから、契約者が居る事自体、珍しいのかもしれない
一「分かった。外に出よう」
セラ「えぇ」
そう言って、3人で街の外へ出る
一「…」
チラリとセラを見ると頷く。ここで良いようだ
一「我が名は豊成一。我が声を聞き届けし者よ、今一度我の前に姿を表し力となれ。召喚〈サモン〉!!!」
魔力を込めながら先ほどの呪文を唱えると、地面に契約魔法陣と同じような青白い魔法陣が出来上がる。そして、ボンっと音を立てて煙が上がる。そこに居たのは
?「クゥー…ピュー…クゥー………」
一「……子供??」
寝ている人間の幼い女の子だった。小学校低学年くらいの……
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