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レグムに入り、まず感じた事は……
一「人、多い……」
酔いそう。ワラワラとあっちこっちに、人が行き来している。何て言うか………一言で表すならば、キモい。この一言に尽きる
ハル「…はぐれない様に着いてきて。はぐれると、探すの大変だから」
リリ「あ……はい」
ハルが歩き始めたので、それを追う。
一「す、すみません。通ります。すみません、通ります」
一歩、歩く度に謝らないとダメとか……。なんだ、至る所で超有名なミュージシャンとかがライブでもしてんのか?皆、立ち止まってやがる
一「す、すみません」
そこで、こんな話しが聞こえてくる
「おい…あれ」
「あ……帰ってきたのか」
「何ヶ月ぶりだ?黒鴉が帰ってきたの」
くろからす……?黒鴉…か?
「嫌なもん見ちまったなぁ……」
「仕方ねーさ。忘れようぜ」
黒鴉が帰ってきた……?何のことだ?
リリ「一さん?」
一「あ、あぁ。悪い…少し考え事だ」
リリ「速くしないと、ハルさんを見失っちゃいます」
一「そうだな。行こう」
10分程、ハルを追ってるとハルが立ち止まる
ハル「…ここ」
一「へぇ…良い所に住んでるじゃねーか」
少し古いけど、全然住める。異様に広いけど。外から見ても
リリ「ふわぁー……ハルさんのお家も大きいですね~」
ハル「…普通。何も無いけど、良かったら上がって」
ゴソゴソと鍵を探しているのかポケットを探る
ハル「………」
一「……ハル?」
ハル「…鍵が無い」
リリ「えぇぇぇぇ!!!!!?」
一「おいおい……マジかよ」
すると高笑いが聞こえてくる
?「あっはっはっはっはっ!!!!気付くの遅すぎ!!」
屋根から笑い声と、何かを叩くような音が聞こえてくる。あれ多分、屋根殴ってんぞ
ハル「…はぁ」
あ、ハルがスゲェ大きいため息を
ハル「…いつ取ったの」
?「そうねぇ~。レグムに入った辺りかしら?」
ハル「…まだ、そんなことをしてるの?セラ」
セラ「よっと…!」
セラと呼ばれた女性が屋根から降りてくる、
って!!結構高いぞ!!!!!?
セラ「まぁ、ね」
タタン…と華麗な音と共に金髪をなびかせる
セラ「ん…?誰よ。コイツら」
ハル「…良いから鍵を返して」
セラ「い・や・よ。この鍵はもう、私の物」
ハル「…手癖が悪い。早く返して」
セラ「はぁ……前から冗談が通じなかったけど…余計に通じなくなってるんじゃない?」
ポイっと鍵をハルに投げ返す
セラ「で、誰よ。コイツら」
ハル「…私の仲間」
そう言いながらハルは家の鍵を開ける。何か慣れてるぞ……
セラ「ふぅ~ん」
一「あ…えっと、初めまして。豊成一です」
リリ「リリルカ・アズベルトです」
セラ「変な名前ね。あんた」
これは最早、決定事項なのか?変な名前って言われるのは……。そろそろ泣きそうなんだが…
一「変じゃない!それが俺の名前だ!」
セラ「何ムキになってんのよ」
一「……」
リリ「…」
リリはいつもの苦笑い。確実に笑顔より、苦笑いの方が見てるな
一「そう言うお前の名前は?」
少し強めに言う。いや、言ってしまう。だって3回目だぞ。イラッとするだろうが
セラ「セラよ。セラ・カイダル」
リリ「カイダル!!!!!?」
セラ「うわぁっ…びっくりしたぁ……。な、何よ」
ハル「…立ち話でもする気?」
リリ「あ……」
少しムッとしているハルに言われ、リリも少し我に返る
ハル「…入って、セラも。色々言うことがあるから」
セラ「言うこと?」
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